みんなで開こう、
広げよう
いろいろな人とつくる
映画体験の場

まず、前提となる「バリアフリー上映」についてご説明いたします。
「バリアフリー上映」とは、映画を鑑賞する上で、見えない、聞こえない、車椅子で入れないなどの、障害をかかえた人たちにも、映画をお楽しみいただけるよう、音声ガイドや字幕をつける、車椅子スペースを確保するなどの、鑑賞バリアを除いて上映をすることです。

字幕と周辺機器のイメージ
上映会の様子

「ユニバーサル上映」とは、バリアフリー上映によって、さまざまな人々と共に、映画鑑賞を楽しむことで、場を共有する全ての人々にとって、より豊かな鑑賞体験の可能性が広がるという「ユニバーサルデザイン」な考え方に基づく上映会のことです。

視覚に障害のある方のために作られた音声ガイドは、セリフの隙間に場面の視覚的情報を補い、想像を助ける音声ガイドナレーションではありますが、視覚に障害のない方が聞いても、新たな発見や気づきがあり、映画をより深く味わうためのツールにもなります。また、聴覚に障害のある方のために作られた、日本語字幕を、聴覚に障害のない方が見ても、話者名の表記が複雑な人物相関の認識に役立ったり、文字として残る言葉の印象が濃くなったり。一つの映画を、よりわかりやすく、多面的に楽しむための鑑賞ツールとしても有効です。
このような音声ガイドや字幕は、学習障がいの方や、見えにくい、聞こえにくいお年寄りの映画鑑賞をサポートするツールにもなります。

音声ガイド用ラジオの貸し出し
トークショーにも文字通訳

また、劇場では自由に座席を選ぶことのできない車いす利用者に、自由な鑑賞スペースを用意したり、日本語がわからない外国人のために英語字幕をつける。小さなお子様をお連れの方のために、親子鑑賞室や託児所を用意する、といった環境づくりもユニバーサル上映につながる工夫の一つです。

映画はみんなのもの。
上映という場が豊かであればあるほど、
鑑賞体験の可能性は広がります。

「みんなでひらこう。広げよう。ユニバーサル上映会」では、どうしたら、みんなと共に映画を楽しむことができるか?また、安心して参加することができるか?を考えることからスタートします。それは、障がいをお持ちの方々が、日頃の生活にどんな不便さや生きづらさを感じているのか?を知るきっかけにもなります。そして、そのことにフォーカスを当てていくと、私たちが当たり前に思ってきた「ふつう」が、何の犠牲の上に成り立っていたのか?という影もよく見えてきます。

お年寄りも若者も
盲導犬も
車椅子利用者も

ユニバーサル上映会をひらくことで、日頃、関わりの薄かった多種多様な人々が、出会い、ふれあい、コミュニケーションをとり、共に鑑賞環境を作っていくこと。そして、感じたことを共有していくことは、地域交流の促進やまちづくりにも生かされ、みんなが本当に幸せな社会のユニバーサルデザインにも、必ずや生かされていくこと思います。